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「すいれん」で、遅〜いランチ 国立西洋美術館 [美術館]

今、上野の国立西洋美術館でやっているのが、この二つの企画展。

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左の「松方コレクション展」の方は、いつもは常設で展示されている松方幸次郎によるコレクションに、今は売却されなどして散逸している作品を加えて、企画展として開催しているもの。

右の「モダン・ウーマン」展は、フィンランドの女性画家の作品展。(主に十九世紀のもの)これは常設のスペースで開催されていた。

つまり、松方コレクションを企画展のスペースに移して、そのあとの常設のスペースにフィンランドの女性画家の作品を展示した、ということ。

チケットを買う時、常設だけにしようかと迷ったけれど、松方コレクションなしの常設じゃなぁ、ということで、企画展を買って、常設もみることにした。

結果、まあ満足。「松方コレクション展」はなかなか見ごたえがあって、松方の業績や、そのコレクションが関東大震災や第2次世界大戦を通して、どのように散逸し、どのように生き残ったかが、ドラマチックに解説されていた。

「モダン・ウーマン」は、十九世紀半ば、フィンランド政府が美術学校を作るときに男女平等に入学の機会を与えたことから、優秀な女性画家が多く輩出したという、その成果が見える。

しかし、お昼ご飯を食べないで出かけ、企画展と常設展をハシゴで見たら、最後は疲れてへばってしまった。近頃、体力の衰えを感じる...

で、午後4時過ぎ、オアシスに駆け込む砂漠の旅人のように、西洋美術館のレストラン「すいれん」へ。

ローストチキンのサンドウィッチを食べて、やっと元気を回復した。「すいれん」で食事をするのは久しぶり。

一応、感謝を込めて、サンドウィッチです。背景はル・コルビジェの建物と中庭。

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梅雨時は気分もスッキリしないし、散歩も思うに任せないから、美術館でくつろぐのはとてもいい。見慣れた感のある松方コレクションだが、これを「見慣れた」などと言えるのは、とても贅沢なことなのかもしれない。
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ルート・ブリュック展 東京ステーションギャラリー [美術館]

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ルート・ブリュック(1916-1999年)は、フィンランドを代表するセラミック・アーティスト。日本初の大規模展とのこと。

大小、様々な形のタイルを組み合わせたり、タイルそのものに絵を描いたり、タイルの形自体が表現となっていたり。セラミックによる表現は、幅広く自由だ。ルート・ブリュックその人の無限のイマジネーションを感じる。

写真は、ごく初期の作品。

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会場が2階と3階に分かれており、公開当初は全て「写真撮影可」だったそうだ。

でも、「シャッター音がうるさくて、作品に集中できない」という苦情が多かったため、3階のみ撮影可となった。初期の作品のみ、こうして自撮りでブログに貼れるのは、そういう事情。

「写真撮影可」の美術展は珍しいが、作品が陶板で、写真による複製ができないからなのだろうね。

ポスターのライオンは、絵本の表紙か何かのようで、すごく夢がある。

しかし、写真のない後半は、もっと緻密で幾何学的な表現となり、公共スペースを飾るような大作などもあった。

北欧のアートは、今人気が高いらしい。どこかストイックな感じがするのだけど、そこがいいのかな。

***

東京ステーションギャラリーは、廊下から東京駅の丸の内北口の丸い空間が見下ろせるのが楽しい。こういう東京駅創業当時のレンガをインテリア的に使っているのも、素敵。

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もちろん、JR東京駅丸の内北口から徒歩0分というアクセスは最高だしね。


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クリムト展 東京都美術館 [美術館]

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クリムトは日本文化の影響を強く受けている、という。
先月、根津美術館で光琳の「燕子花図屏風」を始め、琳派作品をたくさん見たばかりだったし、いや、そうでなくても、日本で暮らしていれば、これはすごく納得できるような気がする。

見れば見るほど、どこか懐かしい。金箔の多用は屏風や漆器を思わせるし、背景やモデルの衣装の色柄は、振袖や帯の模様そのものだ。

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グスタフ・クリムト《女の三世代》部分 1905年 ローマ国立近代美術館

モデルに日本の打掛を着せたモネや、広重の構図をそのまま作品にしたゴッホよりも、クリムトはさらに巧みに「日本風」を作品に取り込んだと言えるのかもしれない。

とは言え、こういう世紀末の爛熟した、エロスとタナトスにどっぷり浸った感じは、日本美術では感じたことがないような。

そもそも、日本で「世紀末」は重要だったろうか。19世紀末は明治32年。富国強兵でイケイケだったかもしれないし、20世紀末は記憶に新しいが、パソコンの年号問題でヒヤヒヤドキドキだった。エロスとタナトスにどっぷり浸る余裕なんて、なかったのよね。

で、いつものことだが、「あ〜、ウィーン行きたい」とブツブツ呟きながら帰ってきた。クリムト見ればウィーン行きたい。モネ見ればフランス行きたい。大変に乗せられやすい、困った性分である。


*観覧日は5月30日(木)のお昼頃。チケット売り場は空いており、入場の待ち時間は15分くらい。場内の混雑も、思ったほどではありませんでした。








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尾形光琳の燕子花図 根津美術館 [美術館]


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尾形光琳作「燕子花図屏風」

根津美術館は、この作品を毎年4月末から5月半ばにかけて公開している。
それで、この時期には根津美術館に行くのが恒例のようになってしまって、毎年出かけている。

桜でも紅葉でもそうだが、見頃を見計らって出かけるのはなかなか難しい。根津美術館には燕子花の咲く池があるが、今年のように見事に咲きそろったのを見るのは久しぶりだった。

表参道の駅から10分ばかり、強い日差しの中を歩いて美術館に行く。そして、仄暗い展示室で光琳の屏風を見て、その後、また五月の眩しい光の中で咲きそろった燕子花を見る。二次元と三次元を行ったり来たり。

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南青山の住宅地にどうしてこんな渓谷があるのか、不思議な気がする日本庭園。

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今年は、燕子花図とともに、伊年印の「草花図屏風」や「洛中洛外図屏風」などが展示されていた。

何度見ても見飽きない。
多分、来年も、再来年も、「燕子花図屏風」に会いに根津美術館に行くだろう。

(展示は5月12日で終了しました。)





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横須賀美術館 神奈川県横須賀市 [美術館]

友人に誘われて、神奈川県横須賀市にある「横須賀美術館」を訪れた。

最初、浦賀にある美術館だと聞いた時は、「ペリーの来た浦賀!」ということで、記念碑やゆかりの品の展示でもあるのかと思ったが、それは間違いで、ペリーには全然関係無かった。

が、海の見える丘の上にあり、海を見ながら食事のできるレストランがあり、ガラスと白い壁の素敵な建築、というわけで、はるばる出かけていった甲斐のある美術館だった。

これが外観。

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一見、平屋の、小規模なものに見えるが、中は地下も含めて4階構造。広くて明るい。

ランチタイムは、海の見えるレストラン。

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テーブルクロスの青が効いている。

目の前を、自衛隊の護衛艦(?)が通っていった。横須賀の基地もそう遠くない。

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横須賀美術館では、所蔵品の展示、企画展と共に、谷内六郎の作品を常設で展示している。谷内は、25年にわたり「週刊新潮」の表紙を描いたことで有名な画家。

谷内の名前を知らなくても、こんな作品を見たら、「ああ、あの…」と思いだすに違いない。

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京急の「浦賀」駅から「観音崎」行きのバスに乗り、終点から海を見ながら歩いて5分くらい。

「小さな旅」という感じ。良い休日となった。




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