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国府を訪ねる旅へ [旅]

栃木県にドライブして、すっかりリフレッシュ。
また外出自粛に励むぞ、と気を引き締めたのだけれど...

Twitterを見ていたら、同じようなことを考えて週末に郊外へ出かけた人が多かったらしい。
「立ち寄った公園のトイレだって、危ないのに」という批判があった。

私は親切なドラッグストアのお手洗いをお借りしたのだけれど、そこで感染する、または、そこで私の持っている(かもしれない)ウィルスを拡散する可能性はあるので、今日は朝からすごく反省している。

注意深く生活し、家の中でできるリフレッシュを考えなくては。

...と、ネットを見ていたら、

上野国府跡について、面白い情報があった。

上野国は現在の群馬県。国府の場所については諸説あって、決定的な物はないが、その諸説の一つが、「前橋市の宮鍋神社付近」だというのだ。

宮鍋神社。みやなべ神社。

下野国庁跡に宮目神社(みやのべさま)があったことを考えると、これは有力だと思える。

この騒ぎが収まったら、群馬県にも行ってみなくては。

関連して、各地の国府跡についても調べてみたくなる。
世界各地への旅はできないが、律令時代への旅は頭の中でできるのだ...

と思って、自粛、頑張ろう。










タグ:国府 上野国
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ささやかな旅 下野国庁跡へ [旅]

東京都府中市は、律令で定めた武蔵国の「国府」のあったところ。それは前から知っていたけれど、昨年広島を訪れた時、「府中」という高速のインターがあって、ここにも府中が、と面白く思った。

それで調べてみると、「府中」「国府」「府」のつく地名は結構ある。近県では千葉県の国府台、神奈川県の国府津。山口県の防府や、山梨県の甲府、その他色々でてくる。

それで、急に思い立って、飲み物と食べ物を持って、「ひとりドライブ」に出てみた。
行き先は「下野国庁跡」。栃木県の国府のあった場所。

下野国庁跡は、栃木県栃木市の広々とした田園風景の中にある。位置は宇都宮の南西。

広場にこういう建物が立っていた。
奈良朝風だが、機能的にはおやすみ処、という感じ。正しく南向きである。

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その建物から見た、南方向。
ひたすら広々とした風景。

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昨年の春、九州太宰府の政庁跡に行ったことを思い出した。あそこも、北側は山。南は広々と開けた地形の場所にあった。ここは、すぐ北に山があるわけではないが、下野国の地形としては、北は那須や日光の山が連なっている。

建物の北側に、宮目神社という小さなお社がある。「みやのべさま」と呼ばれるらしい。みやのべは「宮の辺」なのかな。桜が咲いていた。

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付近は、田んぼばかりだが、「国府町」「惣社町」など、それらしき地名がたくさんあった。

さらに、看板で見た限りだが、「◯塚」という姓が目についた。古墳などが近くにあるのかもしれない。

というわけで、私以外誰もいない、という観光。
外出自粛の時代のささやかな旅を楽しんだ。

***

途中立ち寄ったのは、ウェットティッシュを買ったドラッグストアと、飲み物を補給したコンビニ。ドラッグストアの店員さんは、除菌機能のあるウェットティッシュは売り切れだけれど、普通のなら一つだけあります、と、教えてくれた。車内で飲食するのにお手拭きを忘れたから、助かった。









タグ:下野国 国府
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葵祭 [旅]

5月15日、京都は葵祭である。
たまたま関西にいるのだから、祭り見物をしないわけにはいかない。

というわけで、葵祭に出かけていった。
当日は朝から晴天。絶好の祭日和である。

葵祭は、平安時代の「賀茂祭」を現代に再現したもので、関連した様々な儀式があるが、中でも平安時代さながらの斎王の行列は見逃せない。下鴨神社の南側、糺ノ森の脇で行列を待つことにした。

最初に、騎馬の武官が幾人も続く。
騎馬の人も、お供の人も、冠に「双葉葵」を飾っている。それが葵祭の恒例。

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装束の色や持ち物などで、その人の身分がわかる人にはわかるのだろうけれど、私は勉強不足でわからない。平安時代の人なら、すぐに官位まで言い当てたのだろうけれど。

在原業平や光源氏もこのような装束だったのだろう。少しトキメキを感じてしまう。

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華やかな牛車の一行が近づいてくる。
子供もいて、大変可愛らしい。(長い距離を歩くのだから、疲れただろうね。)

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牛車って、想像以上に大きい。
こんな牛車で「車争い」なんて、平安時代も結構ワイルドだったのだ。

牛車の車輪は木製。ギイギイと独特の音をさせながら通り過ぎて行く。平安時代は舗装された道ではないから、すごく揺れただろうし、轍にはまって動けなくなることもあっただろうね。

牛車は2台通ったが、2台とも、後に「替え」の牛を一頭、従えていた。
後ろの外国人が、「スペア」と言ったのが面白かった。

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女性の装束には、特に注目してしまう。
この姿で、スタスタと案外軽やかに歩いて行くのだから、私だったら後で筋肉痛になりそう。

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斎王代の一行が近づく。

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賀茂斎王に任命された皇室の娘が、皇居を出発して賀茂神社へ向かう行列である。現代では斎王代が輿に乗っている。斎王代は支度金が莫大なものになるため、大きな会社の社長の娘さんなどが選ばれるそうだ。今年も京都の老舗の娘さんが選ばれたとニュースで見た。大変名誉なことなのだろう。

歌も鳴物もなく、静々と近づいて、静々と過ぎて行く。雅なお祭りだった。

***

河合神社の境内に、双葉葵の鉢植えがたくさん並んでいた。
花をつけていたので、写真を撮ってみた。

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タグ:京都 葵祭
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令和の里・大宰府 福岡県太宰府市 [旅]

平成もあと1週間ばかりとなり、世は新元号「令和」を寿ぐお祭り気分である。

今回の九州旅行、この辺りに「水城」という白村江の戦いの時に作られた土塁と堀の遺構があって、それを見に来た。

しかし、資料館の方が、「今、大宰府に来たのなら、坂本神社を絶対見なくては」と勧めてくれた。「令和発祥の地」だというのだ。せっかくだから、見ていくことにした。

令和発祥の坂本神社。かつて、ここに大伴旅人の屋敷があって、梅花の宴が催されたのだという。

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小さな神社だった。はっきり言って、何の変哲も無い。
多分、今回元号が「令和」にならなかったら、百年1日のごとく、古くのどかな神社であり続けていただろう。そこに今、スポットライトが当たって、平日だというのに大勢の参拝客で賑わっていた。

こちらはその隣の「大宰府政庁跡」。
大宰府は都から派遣された太宰帥(長官)の政庁のあった場所で、大陸との交易の玄関口。見方を変えれば、国防の最前線で、防人の町でもあった。

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以前訪れた時の、あの閑散とした遺跡のイメージはない。
ここも、高校生が大挙してお弁当などを広げていた。

大宰府は菅原道真の左遷された場所として有名だが、太宰府の長官が皆左遷で来たわけではない。むしろ、漢籍の知識が必須で、エリートが派遣されたとのことだ。大陸との外交官的な役割からなのだろう。

今回にわかに有名になった大伴旅人も、太宰の帥(そち)として派遣されてきた。その時の筑紫国守が山上憶良。造観世音寺別当が沙弥満誓。梅花宴のメンバーは、そのような地方官たちだった。

集まって、花を楽しみ、歌を詠み、お酒を飲み、なかなか楽しそうである。
彼らは「万葉集筑紫歌壇」と呼ばれている。

大宰府政庁跡の資料館にある、梅花の宴のジオラマ。
菅原道真も、こんな風にこの土地を楽しめたら良かっただろうにね。

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お隣の観世音寺。
古くて端正なお寺である。

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帰り道、大宰府市役所の前を通った。

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「祝 新元号「令和」ゆかりの地 太宰府市」とある。
周辺は、観光の人と車がひっきりなし。経済波及効果も大変なものだろう。

元号はいらないとか、令和はおかしいとか、ネガティブな意見があるとも聞くが、私などはやはり新しいものには心が踊る性分だし、九州旅行に来て太宰府市のこのような盛り上がりを目の当たりにすると、よろこびを分けてもらったような気分になる。

令和が明るい時代になるといいね。




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鍋島焼の里・大川内山 佐賀県伊万里市 [旅]

鍋島焼、というと、シンプルな丸いお皿に洗練された図柄、鮮やかな色。

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美術館などにあると、必ず見入ってしまう美しい焼き物だが、これがどんなところで作られているかはあまり想像したことがなかった。窯元って、だいたい山の中なんかにあるんじゃないの、という程度の認識。

だから、実際に鍋島焼の産地、佐賀県伊万里市の大川内山(おおかわちやま)に行ってみたら、本当に、実に本当に山の中なので、むしろびっくりした。

一応地図を貼っておく。




伊万里までは、博多から西鉄のバスで1時間50分くらい。
伊万里駅から車で、約15分くらい。

実は、ここでもバスに乗り遅れてしまって、タクシーを利用した。
タクシーの運転手は、例によって博識である。

「ずいぶん山の中にあるんですね」というと
「そりゃ、大川内山は藩のオトメの場所だから」というお答え。

オトメ、は「お止め」なのだろう。確かに入り口に関所があり、江戸時代は鍋島藩によって人の出入りが厳しく制限されていた、とのこと。それだけ鍋島焼は価値が高く、図様や製作方法などが外部に持ち出されるのを警戒していたのだと思われる。作品も、江戸時代は一点物が多く、主に皿で、鍋島藩から他藩や幕府への贈答品となっていた。

現代では、坂道に沿って窯元が何軒も立ち並び、それぞれ個性ある磁器を制作、販売している。

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街のあちこちに、白地に青の陶版が印象的に使われている。

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こちらは、バス停にあった地図。

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橋と、そこに据え付けられた豪華な壺。

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***

この後、伊万里から有田まで、松浦鉄道で向かった。
一両編成の可愛い電車。

車窓の風景ものどかで、とても気持ちがいい。

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タグ:伊万里 九州
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宇佐神宮 大分県宇佐市 [旅]




次のバスまで1時間待たなくてはならなかったので、タクシーで行くことにした。JR宇佐駅から宇佐神宮まで、タクシーで10分くらい。

タクシーの運転手は博識である。わずか10分の間に、宇佐神宮に祀られているのが神功皇后(と、比売大神、八幡大神)であること、お参りの方法が「二拝四拍手一拝」で、これは出雲大社と同じであること、全国の八幡宮の総本社であること、などを教えてくれた。

さらに、駅のお姉さんに、石段がたくさんあるから気をつけるように、と教えてもらっていたから、もう、神宮に到着前に準備万端という感じ。

確かに石段をたくさん登ったが、きちんとできた登りやすい石段なので、特に難儀することはなかった。雨天の中、緑の美しい参道。

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登り切ると、荘厳な門が。

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宇佐神宮というと、まず思い出すのは「和気清麻呂」の故事である。

女帝である称徳天皇が、寵愛していた僧道鏡を天皇にしようとした時、和気清麻呂が勅命を帯びて宇佐神宮に参拝し、「天の日継は必ず帝の氏を継がしめむ。無道の人(道鏡)は宜しく早く掃い除くべし」との神託を持ち帰る。これにより道鏡の野望は打ち砕かれた。

朝廷の命運を分ける大事を、宇佐の神託が決定したのだ。その裏に、いろいろな駆け引きがあったとしても、宇佐の神託の前には天皇も従わざるを得なかった。これは、宇佐神宮の朝廷における地位の重要性を象徴しているように思える。

伊勢神宮や賀茂神社ではなく、奈良時代では宇佐なのだ。何故なんだろう?

***

JR宇佐駅で、お決まりの写真をとった。

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USAはともかく、星条旗みたいなこのマークはなんなのだろう?

この後、一時間に一本の特急に乗って博多に向かった。





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福澤諭吉生家を訪ねる 大分県中津市 [旅]

30年間一万円札の顔だった福澤諭吉が引退、渋沢栄一にバトンタッチするという。

名残を惜しんで、というわけではなくて、以前から一度は行ってみたいと思っていた福澤諭吉生家を、今年は訪ねることができた。

福澤諭吉の生家は、九州は大分県、中津市にある。JR中津駅から徒歩15分くらいのところ。

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築200年くらいにはなるだろう。茅葺屋根の家は、今まで見学したことのある武家屋敷と比べても、質素で、つつましい部類。よく手入れされ、保存されている。

「生家」と呼んでいるが、諭吉は実は大阪生まれ。大阪の中津藩蔵屋敷勤務だった父を早くに亡くし、母や兄弟たちとともに中津に帰郷した。

福澤家は下級武士の家で、中津では身分差別がきびしかった。その体験がのちの「天は人の上に人をつくらず」の思想につながっている。

・・・などと語り始めると長くなるから、あとは福澤先生の本を読んでほしい。

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なんの飾り気もない座敷は、大変に清々しい。

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糸車が置かれている。
女性の経済的な自立をうながした諭吉の先見的な思想を連想する。

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隣の立派な資料館には、諭吉の生涯を追って、様々な資料が展示されている。

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上の写真は左から二人目が諭吉。
福澤先生は大きな人だったんだなあと、実感。思想だけじゃなく、身体もね。

***

広い駐車場と、休憩のできる茶店がある。

茶店の店員さんは、今、諭吉の母「お順さん」をNHK朝ドラの主人公に!という運動をしているそうだ。いいアイデアだと思う。


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